身近な里山で深呼吸 家族と始める簡単セルフケア散策
日常から少し離れて、家族で自然に触れる時間
子育てや家事に追われる日々の中で、ふと立ち止まり、家族との時間や自分自身のケアについて考える瞬間があるかもしれません。公園での遊びも楽しいものですが、もう少し自然を感じたい、でも遠出は大変、準備も億劫に感じるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような時に、身近な里山での散策を提案させていただきます。里山は、都市部から比較的アクセスしやすい場所にありながら、豊かな自然が残されていることが特徴です。特別な技術や装備がなくても、気軽に家族で自然に触れることができ、心身のリフレッシュとセルフケアにつながる可能性を秘めています。
この記事では、家族で里山散策を楽しむための具体的な方法や準備、そしてそれがもたらす心身への良い影響についてお伝えいたします。
なぜ里山散策が家族にも自分にも優しいのか
里山での散策は、手軽さという点で大きな魅力があります。整備された遊歩道がある場所も多く、小さなお子さんと一緒でも比較的安全に歩くことができます。また、深い山に入るわけではないため、本格的な登山装備は必要ありません。普段着に歩きやすい靴で十分な場合がほとんどです。
さらに、里山には様々な自然が息づいています。鳥の声、葉っぱが擦れる音、土の匂い、季節ごとの植物や小さな生き物たち。子供たちの五感を刺激し、自然への好奇心を育む素晴らしい機会となります。子供たちは普段見慣れないものに目を輝かせ、大人もまた、日常の喧騒から離れて穏やかな自然に触れることで、心が落ち着くのを感じられるでしょう。
そして、家族で一緒に歩く時間は、コミュニケーションを深める貴重な機会となります。景色について話したり、見つけたものを教え合ったり。共に同じ時間を共有することで、家族の絆がより一層強まるのを感じられるかもしれません。
家族と楽しむ里山散策の始め方
里山散策を始めるにあたって、いくつかポイントを押さえておくと、より安全で快適に楽しむことができます。
1. 場所の選び方
- アクセスの良さ: 自宅から無理なく行ける距離にある里山を選びましょう。公共交通機関でのアクセスや、駐車場の有無も確認しておくと良いでしょう。
- コースの確認: 子供の体力に合わせて、無理のない長さのコースを選びます。短時間で一周できるコースや、途中で引き返せるコースがある里山がおすすめです。事前にインターネットでコース情報や所要時間を確認しておくと安心です。
- 安全情報の確認: 遊歩道の整備状況や、危険箇所(崖、滑りやすい場所など)がないか、クマなどの野生動物の出没情報がないかなどを、自治体や現地の情報サイトで確認しておきましょう。
- 子供向けの施設: トイレや休憩所、簡単な遊び場などがある里山だと、子供連れでも安心して過ごせます。
2. 持ち物リスト
必須ではありませんが、これがあると便利というものをいくつかご紹介します。
- 飲み物: 十分な量を用意しましょう。
- 軽食: おにぎりやサンドイッチ、お菓子など、子供が喜び、手軽に食べられるものが良いでしょう。休憩ポイントで楽しむのも良いものです。
- レジャーシート: ちょっと休憩したり、軽食をとったりする際に役立ちます。
- 雨具: 急な雨に備えて、折りたたみ傘やコンパクトなレインウェアがあると安心です。
- 救急セット: 絆創膏や消毒液など、簡単なものを用意しておくと、すり傷などに対応できます。
- 虫よけ・日焼け止め: 季節によっては必須です。
- タオル: 汗を拭いたり、手を拭いたりするのに使えます。
- ビニール袋: ゴミは必ず持ち帰りましょう。
- 図鑑やルーペ(任意): 見つけた植物や昆虫について調べるのが楽しくなります。
3. 服装
- 動きやすく、汚れても良い服装を選びましょう。長袖・長ズボンは、虫刺されや植物からの保護になります。
- 靴は、スニーカーなど歩きやすく、滑りにくいものを選びます。サンダルやヒールは避けてください。
4. 楽しみ方のヒント
- 急がない: スケジュールを詰め込まず、子供のペースに合わせてゆっくり歩きましょう。
- 五感を使う: 目で見るだけでなく、耳で音を聞いたり、鼻で匂いをかいだり、手で自然の感触を確かめたり(安全なものに限ります)。「どんな音が聞こえる」「どんな匂いがする」など、子供に問いかけてみるのも良いでしょう。
- 発見を楽しむ: 道端の小さな花、変わった形の石、鳥の巣など、日常では見過ごしてしまうようなものに目を向け、発見を楽しみましょう。
- 休憩を挟む: 無理せず、疲れたら休憩をとることが大切です。景色が良い場所で深呼吸するのもおすすめです。
里山散策がもたらす心身への効果とセルフケア
自然の中での散策は、身体的な健康だけでなく、精神的な安定にも良い影響を与えると言われています。
- ストレス軽減: 緑に囲まれた環境は、心を落ち着かせ、ストレスホルモンの分泌を抑える効果があると言われています。鳥のさえずりや風の音など、自然の音に耳を傾けることもリラックスにつながります。
- リフレッシュ: 日常の悩みやタスクから一時的に離れ、自然の中に身を置くことで、頭の中が整理され、気分が切り替わるのを感じられます。
- 運動不足解消: 里山のアップダウンのある道を歩くことは、適度な運動になります。無理のない範囲で歩くことで、血行が促進され、体も心地よく疲れるでしょう。
- セルフケアとしての深呼吸: 里山の澄んだ空気の中で行う深呼吸は格別です。ゆっくりと鼻から息を吸い込み、お腹を膨らませ、口からゆっくりと息を吐き出す腹式呼吸を意識してみましょう。自然のエネルギーを取り込むようなイメージで呼吸を整えることは、心身のリフレッシュに非常に効果的です。歩きながら、または休憩中に数回行うだけでも、心地よい変化を感じられるかもしれません。
- 家族との絆: 共に自然の中を歩き、体験を共有することで、家族間のコミュニケーションが豊かになり、お互いの理解が深まります。これも、自分自身の安心感や幸福感につながる大切なセルフケアの一つと言えるでしょう。
実際に里山散策を体験した方からは、「子供が普段よりも笑顔で、楽しそうに歩いていたのを見て、来てよかったと心から思った」「木々の緑と鳥の声に囲まれて深呼吸したら、滞っていたものがスーッと流れるような気がした」といった声が聞かれています。
まずは気軽に、短い時間から
身近な里山での家族散策は、特別なものではなく、日常生活に手軽に取り入れられるアクティビティです。初めから長時間歩く必要はありません。まずは30分でも1時間でも、近所の里山を少し歩いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
安全に注意しながら、子供たちの「見たい」「触れたい」という気持ちを大切に、家族みんなで自然の中での時間を楽しんでみてください。きっと、心身のリフレッシュにつながる心地よい体験と、家族の素敵な思い出が増えることと思います。そして、その心地よさが、あなた自身のセルフケアにつながっていくことを実感できるでしょう。