身近な公園で見つける癒やしの香り 家族で楽しむ五感を使ったセルフケア
日常の中の小さな癒やしを見つける
日々の家事や育児、お仕事に追われる中で、ふと通りすがりに感じた草木の香りに心が安らぐ、といった経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。特別な場所に出かけなくとも、私たちの身近な場所、例えば近所の公園にも、心と体を穏やかに整えるヒントがたくさん隠されています。
自然の中に身を置くことが、心身のリフレッシュにつながることは広く知られていますが、構えて準備をするのは少し大変に感じることもあるかもしれません。しかし、実はほんの少し意識を向けるだけで、日常の延長線上で自然の恩恵にあずかることができるのです。今回は、身近な公園で「香り」に注目した、家族で手軽に楽しめるセルフケアの方法についてご紹介します。
自然の香りがもたらす心身への効果
森の中を散策すると、すがすがしい空気に包まれるのを感じます。この空気には、樹木が放出する「フィトンチッド」という成分が含まれており、これには心拍数を安定させたり、リラックス効果を高めたりする働きがあると言われています。公園にある身近な樹木や草花からも、それぞれの香りが放たれており、これらが私たちの心に穏やかさをもたらすのです。
香りは五感の中でも特に記憶や感情と深く結びついています。特定の香りをかぐことで、心が落ち着いたり、前向きな気持ちになったりすることがあるのはそのためです。自然の中の様々な香りを意識的に感じることは、思考から離れて「今、ここ」に集中することを助け、穏やかなセルフケアの時間となります。
公園で「香り探し」を楽しむ具体的な方法
さあ、いつもの公園に出かけてみましょう。特別な持ち物や準備は必要ありません。歩きながら、少し立ち止まって、周囲の空気をゆっくりと吸い込んでみてください。
- 雨上がりの土の香り: 雨に濡れた土からは、独特の懐かしいような香りが立ち上ります。これは微生物の活動や植物成分が関係しており、心を落ち着かせる効果があるとも言われます。
- 季節の花や草の香り: 公園には四季折々の花や草が生えています。咲いている花の近くで、優しく香りをかいでみましょう。季節ごとの香りの変化を感じることは、自然のリズムを感じることにもつながります。
- 木々の葉や幹の香り: 葉をそっと指でこすってみたり、幹の近くで深呼吸したりしてみてください。種類の違う木々がそれぞれに異なる香りを持っていることに気づくかもしれません。
お子さんと一緒なら、「どんな匂いがするかな?」「一番好きな匂いはどれ?」と声をかけながら、宝探しのように香りを探してみるのも楽しいでしょう。ただし、植物の中には毒を持つものもありますので、むやみに触ったり、決して口に入れたりしないように、お子さんにはしっかり伝えておくことが大切です。安全な範囲で、五感を使いながら自然を感じてみてください。
香りを楽しむセルフケアのコツとその他の五感
この香りのセルフケアは、一度に長時間行う必要はありません。公園を訪れた際に、ほんの数分でも立ち止まり、意識的に深呼吸をして周囲の香りを感じる時間を持つだけで効果があります。
また、香りに加えて、他の五感も意識してみましょう。
- 視覚: 公園の緑の色合い、花の形、空の色など、目に入る美しいものをじっくりと眺める。
- 聴覚: 鳥のさえずり、風の音、葉っぱの擦れる音など、自然の音に耳を澄ませる。
- 触覚: 木の幹の感触、葉っぱの柔らかさ、風が肌に触れる感覚などを意識する(安全なものに限る)。
- 味覚: (これは自然の中では難しいですが、公園でのピクニックなどで安全な飲食を楽しむことに繋がります)
五感をすべて使うことで、より深く自然との繋がりを感じ、心が満たされるのを感じられるでしょう。お子さんと一緒であれば、「この葉っぱはツルツルだね」「鳥さんの声が聞こえるね」と、発見を共有するのも素晴らしい時間となります。
家族で心満たされる時間のために
身近な公園で、特別な準備なく始められる「香り」を意識したセルフケアは、忙しい毎日を送る方にとって、手軽な心のリフレッシュ方法となり得ます。お子さんと一緒に五感を使いながら自然と触れ合う時間は、家族のコミュニケーションを豊かにし、お子さんの感性を育むことにもつながるでしょう。
自然の香りは、私たちに穏やかさや活力を与えてくれます。ぜひ、次の公園訪問では、歩くスピードを少し緩め、深呼吸をして、周囲に広がる豊かな香りに意識を向けてみてください。きっと、心満たされる心地よい時間が見つかるはずです。